10年以上続くこの取組は、実技研修を請け負ってくれるところを探していた、福島県立テクノアカデミー郡山校(当時は福島県立郡山高等技術専門校)の先生から相談を受けた職業能力開発協会が、それを福島県鉄筋業協同組合に打診したことをきっかけに始まりました。日頃の授業は教科書を使った講義が中心であるため、先生が実際の鉄筋の組立て等を生徒に見せたい、と考えていたようです。
実技研修は、毎年、組合が同校に3名の講師を派遣して2日間実施しています。いずれの日も午前に座学、午後に実習というカリキュラムで、2日目の午後に行なう、ベース、柱、梁等の組立て作業の実習は、実技検定2級レベルのものとなっています。
この取組の始まった当初は、使用する鉄筋のみ学校で準備してもらい、必要な機械や道具は組合が用意していましたが、その後学校が、研修の充実に向け機械などを徐々に購入してくれたため、現在では、ほぼ学校所有の機械や道具で賄える体制が確立されています。
生徒たちの多くは、実技研修を通じて「普段見られない部分なので大変勉強になった」、「教科書や図面は見ているが、実際に作業を行ってみるとうまくいかず、難しいことがわかった」など、鉄筋の仕事についての認識を新たにしています。
組合では、業界内での若手育成とともに、広く人材の育成、確保を図るという観点から、今後もこの実技研修を続けていく予定で、同校に学ぶ生徒たちが、業界に入職するきっかけにもなれば…と、期待しています。