東山魁夷にも師事した日本画家、関口雄揮(1923〜2008)は、長年北海道の自然を画題に作品を描き続け、それにより日展特選の二度受賞も果たしています。関口画伯が50代のころ、たまたま知り合いとなった同社には、画伯に北海道の自然を描くことを薦めた、という経緯があり、子どものいなかった画伯が、自分の亡き後、手元の作品が散逸することへの懸念を、さらに、ゆかりの地北海道に作品を置きたいとの希望を表明したことが、同社に美術館の設立を決意させるに至ったのです。
記念美術館は平成17年7月にオープン。札幌市南区の、札幌芸術の森に隣接して立つ同館は、日本建築学会の「建物日本百選」にも選定されたモダンな建物で、約3,000点の作品を収蔵し、関口画伯の生涯の作品をほとんどカバーしています。基本的には画伯の作品だけを展示し、年に3回、100%の展示替えを行なっています。
展示以外の活動としてはお茶会の開催があり、日本画を鑑賞した後にお茶席を、という企画は、とりわけ外国人に喜ばれています。
見てもらいたい、との一心から積極的な宣伝に取り組んでいることもあり、来館者数は年々増加しています。作品貸出の依頼を受けるなど、北海道内の美術館との連携もできつつあります。
今後は、美術館を活用した、様々な企画にチャレンジしていく予定です。その一環として結婚式を行ない、カフェスペースを利用したバイオリン演奏、カンテレ演奏、様々なワークショップを開催、好評価を得ています。