愛知県鉄筋業協同組合では、地元の名古屋刑務所から、収容されている受刑者の社会復帰後の就職活動支援のための、構造物の付帯工事に係る職業訓練開講に伴う講師の派遣を依頼されたことをきっかけに、平成14年から同刑務所における職業訓練支援活動を開始しました。現在、鉄筋組立てに関する学科・実技講習を、同組合の青年部である「若鉄会」の主導により、年に2回実施しています。
1回の訓練は、学科、実技いずれも1日(約7時間)ずつの実施で、鉄筋組立ての基礎が学べるように配慮されています。学科講習では、用語の説明、組立てに関する関係法令、及び組立てに係る規則などを、また実技講習では、ベース筋から柱を起こし、梁までを実際に組立て、道具の使い方、鉄筋の縛り方などを指導しています。
講師は、「若鉄会」のメンバーがローテーションを組み、学科は2名、実技は3名で務めます。実施目的や対象者の性質上、特にきちんとした対応ができるよう、人選には気を配っています。
同組合は優秀な施工集団として社会に貢献できること、また、鉄筋工事が広く社会的な認知を得ることを指しています。そのためにも、刑務所における職業訓練支援には今後も継続的に取り組んでいく予定です。
ほかにも、同様に技能を教える取組としては、昨年10月、愛知県の工業高校教職員に対するスキルアップ研修に、鉄筋組立て実習の講師を初めて派遣、今後も要請があればそれに応じていきたいと考えています。