「ひょうごの匠キャラバン隊」は、兵庫県塗装工業協同組合も会員である、兵庫県技能士会連合会が、県の委託により平成10年度から行なう事業です。28の職種で、優れた技能者として県から認定された“ひょうごの匠”が中学校を訪問して講師となり、生徒たちに匠の仕事を体験させ、そのポイントや匠のこだわりなども伝えています。“匠”は塗装、左官、ガラスなど建設関連分野のみならず、料理、着物、紳士服などといった分野からも派遣されています。
同組合では、毎年8〜9校に職人を派遣、生徒3人に“匠”が1人ついて、塗装の目的に関する講義の後、色塗りや色の調整などの実習を行なっています。
匠たちにとっては、仕事の合間を縫い早朝から訪問しなければならない、手当はごく僅かなど、苦労や負担も多い取組です。しかし、指導を受けた生徒たちからは、毎回「さまざまなところに塗装が使われていることを知り、興味深かった」、「体験を通して、積極的にチャレンジする姿勢を学んだ」といった、感謝の手紙が多数寄せられており、匠たちは大きなやりがいを感じています。
「キャラバン隊」の反響は大きく、対象校は開始当初の9校から今では20校と成長しました。さらに現在、40校ほどがその受け入れを希望していますが、全校の訪問には限界があるため、県が現在、姫路市で建設を進めている伝統技能工の養成施設「ものづくり大学校(仮称)」を拠点とした「キャラバン隊」の活動実施が構想されています。さらに、「ひょうごの匠キャラバン隊」活動を、全国にも広めていきたいと、いう意向もあります。