板橋区内の小中学校で、子どもたちの“生きる力”を育むことを目的に、実施されている「いきいき寺子屋事業」。土・日曜日や放課後に学校施設を活用し、学校ごとの企画で体験活動や交流活動を行なうという取り組みです。同組合ではたまたま副理事長が地元在住であり、そのお孫さんも板橋区立志村第四小学校に通っているという縁から、同校PTAの企画する事業に組合として賛同・協力できるのではないか、と考えました。
この意向がPTA側の思惑とも一致し、2009年から同組合による「寺子屋教室」がスタートしました。春と秋の年2回、1回あたり児童30〜35名程度と、その父兄(低学年児童の保護者)15〜20名程度の、総勢約50名が参加し、組合の有志8名程度による懇切丁寧な指導のもと、春には銅板の「表札」づくりに、秋には同じく「レリーフ」づくりに挑戦します。自分だけのオリジナルアイテムづくりの体験はとても喜ばれ、「おもしろいよ」との評判も、兄弟や友達の間に口コミで広まっているようです。
同組合の本部事務所には、通学路に面してショーケースが設置され、ここに子どもたちが教室で作った作品が展示されます。このお披露目は組合がここにあるということ、そしてこのような地域貢献活動を行なっているということのPRにもなっています。板金業界でも現在、後継者不足が悩みの種で、技術の伝承がうまくいかないという状況にあります。そこで同組合では、今後もこのような活動を続けていくことで、少しでも板金業界や、ものづくりへの理解が高まれば…と、期待しています。