「いいいろ・塗装の日」(11月16日)に合わせ、全国一斉に行なわれるようになった、塗装による社会奉仕活動は、その多くが大阪地区から全国に広がったものです。大阪府塗装工業協同組合が、平成13年に地域の住民、中学生、および保護観察中の少年などへの塗装指導というかたちで始めた、落書きの消去作業もそのひとつ。単に環境美化にとどまらず、青少年の健全育成を主眼においた塗装指導、あるいは、街頭犯罪減少のための落書き消去塗装指導は、各地で「落書きなくし隊」の結成が進む、という波及効果などをもたらしました。
大阪府塗装工業協同組合、日塗装大阪府支部等に所属する若手経営者からなる業界団体、大阪昭和会。同会でも主に大阪市が所管する身体障害者施設を対象に、社会福祉施設の室内外や遊具などの塗り替えを行なう奉仕作業を行なっています。昭和52年、大阪市民生局(現在の福祉局)からの依頼で行なった保育所の内部・壁等の塗り替え作業を皮切りに、その後毎年春・秋2回実施され続けているこの取り組み、大阪市の社会福祉事業向上への貢献が大きく評価され、毎年同市からの表彰を受けています。
こうして大阪地区で長年続く、業界3団体による社会奉仕活動は、塗装という専門技能を発揮することで、業者たちが社会貢献を、身近なものと感じながら実践しているところに特徴があります。地域住民が落書き消去作業を、生徒や先生、PTAが校舎の塗装作業を行なう際には、その指導の場を通じ、一般市民の塗装業への理解を深める、という役割も担っています。
こうした活動は「月刊少年育成((社)大阪少年補導協会)」、「更正保護(法務省保護局)」、「ものづくり立国の推進事業−技能士等活用・処遇・貢献好事例集−(大阪府職業能力開発協会の厚生労働省受託事業)、「地域活性化貢献組合啓発・普及事業−組合活動事例集−(全国中小企業団体中央会の多角的連携指導強化事業)」に紹介されるなど、多方面の機関から注目されています。